載せていました。
内容としては、
「2020年までに1,000億円を投資
して、同年に国内従業員約1万人の残業を
ゼロにする。
最新のロボットや
スーパーコンピューターを導入して
製品の開発期間を短縮したり、
業務の効率化につながるソフトウエアを
取り入れるなどして実現する。
優秀な人材確保のためには働き方を
抜本的に変える必要があると判断、
大型投資に踏み切る」というものです。
この投資は、多くの人が評価すると
思います。
しかし、実行することははなかなか
難しいと思います。
難しいというのは、1,000億円の
資金がないということではありません。
もちろん、投資する1,000億円を
捻出することもたいへんなことですが、
1,000億円を残業を減らすために
投資するという決断をすることは、
経営者にも相当な覚悟が求められる
でしょう。
それがなかなかできないから、
現在の多くの会社は、従業員の方に
多くの残業をさせるという、安易な
方法を選択しているのでしょう。
それが、いわゆるブラック企業の
出現につながっていると思います。
ところで、この記事の本旨は、残業に
ついてではなく、投資は大切という
ことです。
私の住まいの近隣に、厳しい経営
環境にもかかわらず、健闘している
スーパーマーケットがあります。
そのスーパーは8つのお店があり
ますが、いずれのお店も、開店、
または、改装してから10年を
超えているものはありません。
また、私の記憶する限り、この
スーパーがかつて出店していて、
現在は閉店したお店も、5つ以上
あります。
この5か所という数は、直ちに多いとは
言えないかもしれませんが、この規模の
スーパーとしては、積極的な判断をして
いると思います。
要は、
スクラップ・アンド・ビルドが
徹底して行われているということが
明らかに分かります。
このスーパーが健闘している要因は、
このスクラップ・アンド・ビルド
だけではないと思いますが、この
ような積極姿勢は間違いなく業績に
つながっていると私は考えています。
そして、前述のように、このような
投資の判断は、経営者としては
なかなか決断しにくいものです。
経営者としては、リスクをとる決断を
する際は、迷いがあると、従業員に
残業をさせたり、建物はまだ使える
から改装はしないといった、安易な
判断に逃げてしまいがちです。
そして、ここで伝えたいことは、
かつては、何もしない、または、現状を
維持するといった判断でもある程度は
競争ができていましたが、現在は、
消極的な判断は、ライバルとの競争に
敗北することにつながっているという
ことです。
前述の、日本経済新聞の記事に「優秀な
人材確保のためには働き方を抜本的に
変える必要があると判断、大型投資に
踏み切る」と書かれていたように、
経営者の方が前向きな判断をしない
ことは、競争に勝てなくなっていると
いう経営環境が背景にあることを示唆
していると考えられます。
例えば、人手不足の本当の原因は、
経営者が働きやすい環境を整えることを
怠って、定着率が低い状況にしているにも
関わらず、それを改善せずに、従業員に
多くの残業を強いることで解決しようと
いう安易な解決方法をとる経営者が多い
ということが、いわゆるブラック企業が
増えている原因ではないかと思います。
今回は、経営者の投資判断という面から
アプローチしましたが、会社の業況が
改善しない原因には、経営者が適切な
判断を避けているという側面があると
私は考えています。
※写真と本文は関係ありません。