鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

ビジネスオーナーと自営業者

ロバート・キヨサキさんのご著書「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」では、ビジネスパーソンを4つに分類しています。

 

E:Employee(従業員)

S:Self Employee(自営業者)

B:Business Owner(ビジネスオーナー)

I: Investor(投資家)

 

このうち、日本では自営業者とビジネスオーナーをどちらも「経営者」と呼んでいます。(ここでいう自営業者は、個人事業主のことではなく、個人事業主または会社社長を問わず自ら事業にあたっている人を指します。一方、ビジネスオーナーは、自らは直接事業には携わらず、事業の「仕組み」を作る(≒組織を運営する)役割を担います)

自営業者とビジネスオーナーのどちらが優れていて、どちらが劣っているということはありませんが、両者の間では学ぶべきことが大きく異なります。自営業者であれビジネスオーナーであれ、事業そのものについては専門家でなければなりませんが、自営業者の場合は、より事業に関するスキルを高めて行くことで強みを発揮するでしょう。ビジネスオーナーの場合は、狭い意味での会社経営(≒組織運営)で専門性を発揮しなければなりません。

ここで問題となるのは、起業して「経営者」となる方が、「自営業者」と「ビジネスオーナー」のどちらになろうとしているのかを明確に考えずに「経営者」になってしまうことです。その結果、それぞれの立場で学ぶべきことを学ばずに事業を開始してしまい、実際に事業を開始してから事業運営に齟齬が起きてしまうことになりかねません。起業しようとする方には、自営業者になりたいのか、ビジネスオーナーになりたいのか、前もってよく考えてから起業されることをお薦めします。