鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

神さまとスマートフォン

芥川賞作家で臨済宗の寺院の住職である玄侑宗久さんが、ラジオ番組で「スマートフォンが宗教離れに影響している」という旨のお話をしていました。というのは、「『松の木の立っている場所は、神のお告げ待つ場所だったから、マツという名前になった』というように、宗教とは時間がかかることを待つことが基本になっている。現在は、スマートフォンで検索すれば、調べたいことがすぐに分かるようになり、待つことに耐えられなくなった人が増えていることから、宗教離れが進んでいる」ということだそうです。

そういう私も待つことが苦手です。しかし、「問題を解決することが目的であって、速く行動したり結論を出したりすることが目的ではない」と自分を戒めるようにしています。確かに、情報技術が著しく進展してから、起業しやすい時代になりました。でも、起業は容易になっても、事業を安定的に継続させることは、ますます難しい時代になっているとも思います。だからこそ、本当の目的を見失わないよう、芯をしっかりさせることが大切だと思います。

話を戻して、待つことができないようになるというのは、機械に人間が操られているからだと思います。単なる表面的な知識だけなら、確かにインターネットですぐに知ることができます。でも、事業家(だけでなく、社会人としても)本当に理解しなければならないことは、インターネット検索では得られないはずです。もし、そいうった暗黙知的な情報が大切だということを理解していれば、待つことが苦手ということにはならないでしょう。

 

図解でわかる 小さな会社の経営に活かす会計 いちばん最初に読む本

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