鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

2023-01-01から1年間の記事一覧

途中で負けても最後に勝てばいい

[要旨]相模屋食料では、他社の再建を引き受けたとき、その会社に損益責任を持たせず、責任は社長に集中させているそうです。それは、会社の再建は、短期的にはなかなか黒字にできないので、損益責任を持たせると妥当な改善活動の妨げることになることから…

自力で黒字化しプライドを取り戻す

[要旨]相模屋食料の社長の鳥越さんは、再建を引き受けた会社に対しては、まず、既存の人員と設備で、いったん、黒字化し、その後、新たな設備投資を行うそうです。このことによって、一時的に赤字に陥るものの、それ以降は恒久的に黒字を計上できるように…

中小企業も大企業病にかかることがある

[要旨]相模屋食料のヒット商品である、「おだしがしみたきざみあげ」は、かつて、大手メーカーのカップうどんの揚げを製造していた会社の製品だそうです。その会社は、同社が再建をすることになったとき、製品開発を受動的にしか行っていなかったため、新…

意味のある非効率こそが商品の魅力に

[要旨]相模屋食料の社長の鳥越淳司さんは、業績が振るわない同業他社を、多く買収して来ましたが、買収する会社の業績は、数字だけでなく、一見すると非効率に見える強みも評価するようにしてきたそうです。すなわち、会社の評価は定量評価に偏りがちです…

ダブルチェックシステム

[要旨]稲盛和夫さんが京セラの社長時代に、社長印を経理部長に押してもらうようにしたそうです。ただし、社長印を押印する書類は経理部長は作成してはならないこととし、また、印鑑が入っている金庫の鍵は、経理部長以外に持たせるようにしたそうです。こ…

稲盛さんは先輩の無言の行動に諭された

[要旨]稲盛和夫さんが京セラを起業する前に勤めていた会社で、先輩社員が器具を丁寧に洗っている姿を見かけたことがあるそうです。当初は要領が悪い人と感じていたそうですが、後になって、器具を丁寧に洗わないと、思った通りの製品をつくることができな…

ビス1個の値段を従業員に教える

[要旨]稲盛和夫さんは、従業員の方に原価意識を持ってもらうために、ビスやナットなど、部品の値段を教えてあげたり、部品が床に落ちていたら片づけるよう指導することが大切だと考えています。このような活動を通して、すべての従業員が経営者と同じよう…

常に原価を意識しなければならない

[要旨]稲盛和夫さんは、経営者は、常に原価意識をもって事業活動に臨まなければならないと述べておられます。これは、いろいろな場面で、その一瞬一瞬で原価意識を持って物事を考えることができるか、それとも、ただ漠然と見ているだけなのかによって、経…

目標を全員で周知徹底し共有化する

[要旨]稲盛和夫さんは、目標を達成するためには、すべての役員や従業員が、目標を共有し、それを頭の中に入れて、日々、活動しなければならないと述べておられます。これは、目標達成のための活動を、顕在意識のレベルで行うよりも、潜在意識のレベルで自…

『当座買い』には大きなメリットがある

[要旨]稲盛和夫さんは、京セラでは、材料などをまとめ買いせず、必要な都度、必要な分だけを購入する、当座買いを行っていると述べておられます。なぜなら、まとめ買いをすると、在庫費用や不良在庫の発生を避けることができるほかに、作業工程で材料を粗…

採算は経営者の意志の表れ

[要旨]稲盛和夫さんは、業績は結果でなく、経営者の意志が反映されたものであると考えているそうです。なぜなら、売上を増やすことも、経費を抑えることも、経営者の意志でできることであるからだそうです。したがって、経営者は、会社の業績について言い…

月次決算は締日から10日以内につくる

[要旨]稲盛和夫さんは、京セラを立ち上げたときから、翌月10日までに月次決算を作成し、事業活動の改善に活用することで、会社を拡大してきたそうです。この活動は、40年後に会社の売上高が7,000億円になっても継続している大切な活動であると、…

経費を極小にするには管理の細分化が鍵

[要旨]稲盛和夫さんは、京セラの経費の極小化を進めるための手法として、経費の項目を細かく分けて管理したそうです。例えば、かつては、電気代は、工場全体でしか把握で来ませんでしたが、原材料部門、成形部門、焼成部門などに電気メーターを取り付けて…

京セラは1時間当たり付加価値が最重要

[要旨]稲盛和夫さんは、京セラを立ち上げてから、「売上を極大に、経費を極小に」という方針で事業活動に臨んでいきましたが、その後、時間当たり採算制度、すなわち、1人1時間当たりの付加価値額を重要な指標として管理するようにしたそうです。このこ…

入るを量って出ずるを制する

[要旨]稲盛和夫さんは、京セラを立ち上げたものの、当初は、経理のことはあまり理解できなかったそうです。そこで、「経営というのは、売上を大きくして、使う経費を少なくする、その差がもうけ」と単純化し、その2点に絞って実践し、創業以来、税引前利…

技術屋の仕事は生産コストを下げること

[要旨]稲盛和夫さんは、京セラを立ち上げたころから、「新しい技術開発を行うのが技術屋の仕事ではなく、どうやって生産コストを下げるかを考えることこそ、技術屋の仕事だ」と、従業員の方に伝えてきたそうです。これは、「象牙の塔にこもったような仕事…

値引きをしても粗利率30%は変えない

[要旨]小売業で、競合上、安売りをする店はありますが、業績のよい会社は、仕入れ値を低くすることで、自社の粗利率を変えずに、低価格販売を実現しています。すなわち、低価格販売とは、粗利率を下げることで実現するのではなく、仕入値や経費を低くする…

流通業は粗利率が重要

[要旨]稲盛和夫さんは、流通業の商品の価格は、粗利率が30%以上となるようにすることが重要と考えているそうです。それは、販売費及び一般管理費比率が約20%であるため、税引前利益を10%にするには、粗利率は30%以上にする必要があるからだそ…

売れる値段とはマーケットが認める価値

[要旨]稲盛和夫さんによれば、京セラでは、原価+利益=売値という、原価主義は採らないことにしているそうです。売値を原価+利益より高くした場合、暴利を得ることになるという批判がありますが、顧客が喜んで購入する価格、すなわち、市場が認める価値…

売価還元方式で原価を求める

[要旨]稲盛和夫さんは、値決めをする時には、自社製品の市場価格を勘案しなければならないので、「売価還元方式で原価を求める」ことをしなければならないと述べておられます。これは、単に、市場価格に合わせて売値を決めればよいというだけではなく、そ…

『国民の健康を提供』という大義名分

[要旨]稲盛和夫さんは、ヤクルトは、販売員に、「ヤクルトは国民の健康を提供する」と教え、さらに、ルートセールスによって、製品の価値を説明して販売したことから、顧客にそれを納得してもらった上で、高い価格で製品を販売できたと分析しているようで…

コカ・コーラは高値で成功

[要旨]稲盛和夫さんによれば、コカ・コーラは、高価格で販売されていますが、そのことによって得られた利潤を、販売促進費にあてることにより、利益を最大化していると分析しておられます。そして、この事例から、値決めは決して安ければ良いというわけで…

値決めは経営者の才覚次第

[要旨]稲盛和夫さんは、役員に登用する従業員には、「商才」を求めるそうですが、その商才とは、最大の成果をもたらす値決めができる能力を指すそうです。そして、その値決めは、単に、製品の価格を決めるだけではなく、製品のスペック、販売場所、販売方…

日本の中小企業経営者は割に合わない

[要旨]稲盛和夫さんは、日本の中小企業経営者は従業員の何十倍も働いており、また、重い責任を持っているにもかかわらず、所得税の税率が高いことから、従業員の10倍程度の報酬しかもらわない人が多いと考えているそうです。また、「ガラス張りの経営」…

ガラス張り経営は経営者の勇気を強める

[要旨]京セラでは、財務情報を社内で公開し、経営者が利益を独占していないこと、経営者が交際費を使って公私混同をしていないことが分かるようにしています。こうすることで、経営者は後ろめたさはなくなり、勇気をもって経営にあたることができるように…

欲にかられると判断を誤る

[要旨]タビオ創業者の越智直正さんが、SCMを構築したとき、協力工場に対し、自社の売上を伸ばすことを優先し、自社製品をつくりすぎて、デッドストックを発生させるようなことはしないよう働きかけてきました。すなわち、自社の利益ではなく、SCM全…

SCMの成功要因は三者鼎立

[要旨]タビオ創業者の越智直正さんが、SCMを構築したとき、協力工場の利益を優先し、仕入れを値切ることはしませんでした。しかし、このような越智さんの姿勢に対し、高い技術力を持った会社がSCMに参加するようになり、品質の高い製品を提供するこ…

信頼関係がなければSCMは完成しない

[要旨]タビオ創業者の越智さんは、同社にSCMを導入して成功した要因は、協力工場が、よい製品を顧客に提供しようという志を共有してくれたからだと分析しています。そして、それは、協力工場と信頼関係があるという土台があるから可能となったのであり…

バットだけ研究しても本塁打は打てない

[要旨]タビオの創業者の越智直正さんが、SCMシステムを導入し、事業改善に成功したあと、そのシステムは、他社から大きな関心を寄せました。しかし、越智さんが、「いくらシステムが立派でも、情報伝達の道具に過ぎず、大切なのは、背景にある考え方や…

靴下業界は知識集約型産業

[要旨]タビオの創業者の越智直正さんは、かつて、自社が属するファッション産業は、労働集約型産業と考えていたところ、知識集約型産業ということを本を読んで学びました。そこで、その後、POSレジを導入し、そのデータを工場に直ちに伝え、顧客が欲し…