鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

2020-01-01から1年間の記事一覧

「仏作って魂入れず」にならないために

[要旨]経営者の方の中には、顧客管理システムを導入しても、十分な活用ができないという場合も少なくありません。したがって、単に、導入するだけでなく、十分な活用ができるようにするためにも、可能な限り、専門家の方の支援や助言を受けるようにするこ…

真実を見るには勇気がいる

[要旨]ダーウィンが進化論を公表した時、それが真実であっても、社会から批判を受けたように、人は受け入れたくない事実を否定する資質があります。しかし、経営者の方が事実を受け入れないで判断を行うと、事業が失敗してしまうので、経営者の方は、事実…

利益が増えると資産が増えるとみなされる

[要旨]会計的な観点では、利益が多いほど、その会社の資産も増えていると評価されます。したがって、利益を増やすことは、銀行からの融資承認を円滑に得られるようになることにつながります。[本文]日経ビジネス2020年11月16日号に、ニトリによ…

支出する金額ではなく得られる価値で判断

[要旨]経済的にうまくいっている人は、お金を使う時に、それがどれくらいの価値を産むかに注目していますが、経済的にうまくいっていない人は、お金を使うときに、使う金額に注目してしまっているので、後者の人は、お金を支払うときの恐れをなくすように…

ブルーオーシャンは狭い市場で見つかる

[要旨]ワークマンでは、アウトドア需要に応えるワークマンプラスの出店で、新たなブルーオーシャンを見つけましたが、それは、ランチェスター戦略の考え方に基づく、小さな市場の掘り起こしによるものです。[本文]前回、ワークマンの専務、土屋哲雄さん…

ブルーオーシャンは安泰ではない

[要旨]ブルーオーシャン戦略において、ブルーオーシャンをみつけ、事業を行うことは、効果が大きいものの、ブルーオーシャンは、レッドオーシャンになる可能性もはらんでおり、その対策を怠らないようにすることも大切です。[本文]前回、ワークマンの専…

専務の考え方は50%間違っている

[要旨]ワークマンの専務の土屋さんは、自分の考え方は50%間違っているという前提で方針を決定するなど、経営者は縁の下の力持ち的な役割に徹しながら、同社の業績を伸ばしています。[本文]ワークマン専務取締役の土屋哲雄さんのご著書、「ワークマン…

マネジメント層の構造(5)

[要旨]2003年に商法が改正され、現在の指名委員会等設置会社という制度ができましたが、指名委員会等設置会社の取締役と執行役は、オフィサー制度のディレクターとオフィサーに相当する役割を担っています。[本文]前回に引き続き、マネジメント層の…

マネジメント層の構造(4)

[要旨]執行役員よりも業務執行の専門性を高めた役職をオフィサーと言います。オフィサーのうち、業務執行全般の責任者を最高経営責任者(CEO)、CEOの指揮のもと、主に事業活動の業務執行を統括するオフィサーを最高執行責任者(COO)などと言い…

マネジメント層の構造(3)

[要旨]1990年代までは、20人以上の取締役が就任している上場会社は珍しくありませんでしたが、そのような会社は、取締役会が形骸化していました。そこで、ソニーのように、実態に合わせ、実際に意思決定を行っている人だけを取締役とし、残りの取締…

マネジメント層の構造(2)

[要旨]1990年代までの日本では、事業規模の拡大にともない、取締役の数も増えて来ましたが、取締役の多い会社では、上席の取締役(役付取締役)で構成される、非公式な組織の経営会議や常務会などが、実質的に意思決定を行い、その後、取締役会でそれ…

マネジメント層の構造(1)

[要旨]株式会社の経営者である取締役の役割は、意思決定、業務執行、監督の3つが主なものです。[本文]私は、ときどき、「社長とCEOの違いは何?」ときかれることがあるのですが、今回から、数回に分けて、その質問への回答を述べていきたいと思いま…

校則の目的は児童の個性を伸ばすこと

[要旨]広島県の小学校で、児童の自主性を尊重する方針を打ち出しましたが、それにともない、教諭の方たちが、校則の本当の目的を考え直すようになりました。校則の本当の目的は、集団生活を維持することではなく、児童の個性を伸ばすことであり、そのため…

「だから何?」をなくす

[要旨]人は、自分の伝えたいことを話したり書いたりしていても、それを聞いたり読んだりする側は、話し手や書き手の真の意図を汲み取れないことが、しばしば起こります。そこで、経営者の方は、ご自身の考える経営理念、目標、方針などを、文章にして読み…

経験しないと分からないこと

[要旨]京セラ創業者の稲盛さんは、ビジネスパーソンとして成功しているにもかかわらず、さらに修行僧となり、托鉢を通して善因善果のすばらしさを学んだと述べておられます。したがって、どんな立場にある人でも、さらに向上しようという姿勢を持つことは…

指示待ち人間は経営者に向かない

[要旨]「指示待ち人間」が経営者のポジションに就くと、自らは何も考えず、コンサルタントなどに「正解」をきこうとしてきます。しかし、自ら仮説を立てたり、検証をしたりすることができなければ、経営者の役割を果たすことはできません。[本文]経営コ…

地域金融機関のシステム統合への補助金

[要旨]来年、政府は、金融機能強化法を改正し、地域金融機関がシステム統合をする費用の一部を補助する、「資金交付制度」を設けると報道されました。これにより、地域金融機関の統合は加速していくものと思われます。[本文]12日に、日本経済新聞が、…

地域金融強化のための特別当座預金制度

[要旨]日本銀行が、経営統合などを進める地域金融機関に対して、預金金利を上乗せするという支援策を導入すると発表し、横浜銀行などを傘下にもつ、コンコルディアフィナンシャルグループが、その利用をしたいという希望を公表しました。[本文]11月1…

自分で自分を管理する

[要旨]経営者やフリーランスは、自由さが手に入りますが、だからといって、やりたいことだけをやればいいということにはならないとことは、言及するまでもありません。そして、それは理解しつつも、自分を管理できないと、やらなければならないことが疎か…

包括担保は日本にはなじまない

[要旨]金融庁は、銀行が中小企業を支援しやすくなるよう、包括担保の制度について検討を始めました。これについてはまったく無意味ではありませんが、日本では、円滑な融資が実現するための抜本的な手法とはなりにくいと思われます。[本文]金融庁は、「…

秋田県の主要産業は第三次産業

[要旨]秋田県は農業が盛んであるというイメージが大きいですが、第一次産業の生産額は、県の全体からみれば、約3%です。このように、イメージと実際の数値は異なることもあるため、データの裏付けを確認することは大切です。[本文]私は、以前、ご支援…

経営者と従業員の法律的な関係

[要旨]日本には、雇用のルールがあるものの、会社と従業員の関係については明文化されたルールがありません。そのため、会社経営者は、法律上は、株主からの委任についてのみ責任を負うことになります。[本文]元外務官僚で、作家の佐藤優さんの、東洋経…

コミットメントラインによるアピール

[要旨]コミットメントラインは、銀行から融資を受ける予約をするという契約ですが、それだけでなく、自社が銀行から支援を受けることができるということをアピールできることにもなります。[本文]帝国データバンクの阿部成伸さんが、ダイヤモンドオンラ…

組織に所属したい欲求を活かす

[要旨]人は、そもそも、組織に所属したいという欲求がありますが、会社に必要とされていると感じることができなければ、会社を離れたいと考えてしまいます。従業員の定着率を高めたいと考えている経営者の方は、従業員の方に、会社から必要とされていると…

あえて反対意見を採用する

[要旨]事業運営の判断には、必ずしも100%正しいということはありません。そうであれば、自らの意見も、相手の意見も、どちらも正しい可能性があるので、あえて、自分の考えとは逆の意見を取り入れることで、組織全体のモラールを高めると、そのことが…

サプライチェーンを支える人材育成

[要旨]ニトリは強固なサプライチェーンを武器に業績を伸ばしていますが、それは、全体最適を考えることができる人材の育成を徹底しているからであり、単に、「しくみ」を導入するだけでは、事業の競争力を高めることはできません。[本文]家具販売店大手…

社会的な課題を解決するビジネス

[要旨]ユニ・チャームは、紙おむつのリサイクルによって、事業活動を通じて社会的な課題を解決するというCSV経営を実践していますが、これからは、このようなCSV経営を採り入れることで、事業を強くすることができるようになると考えられます。[本…

つらい経験とビジネスの成功

[要旨]ビジネスパーソンとして成功している方の中には、過去のつらい経験を糧にしてきている人は少なくありません。同様に、成功を望むビジネスパーソンの方も、自身のつらい経験に目を向けることで、強い意思を維持できる可能性があります。[本文]日経…

社長の仕事は「仕事をしないこと」

[要旨]社長の役割は、部下を育てることであり、直接、自らは事業に関わらず、権限移譲を進めることが原則です。しかし、それを実践できない経営者が多いことの原因のひとつは、社長としてのスキルを高めないことと考えられます。[本文]真珠加工会社の今…

「良いものを安く」は通用しない時代

[要旨]「良いものを安く」という戦略をとる経営者の方は少なくありませんが、それは、人口が増加する時代であるということが前提であり、人口が減少している現在は、高い付加価値を得るための戦略をとるという、「経営レベルの競争」に移らなければなりま…