鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

2018-01-01から1年間の記事一覧

経済統計を読む

中小企業経営者の方の中には、経済統計を 定期的に見る習慣のある方も少なくないと 思いますが、まだ、見ていない方もいらっ しゃると思いますので、今回は、経済統計 について述べたいと思います。 日本で発表されている経済統計はたくさん ありますが、私…

アイディアを募ることは無責任?

よく、経営者の方が、従業員の方に対し、 「新しい収益機会や事業改善につながりそ うな、よいアイディアがあったら出して欲 しい」という要望を出すことがあります。 これは、一見すると、ボトムアップでの事 業改善の手法であり、評価できる手法と思 われ…

事業改善の当事者

先日、日産のゴーン前会長が金融商品取引 法違反で逮捕された問題に関し、同社を監 査した監査法人の責任が問われるのではな いかという旨のを読みました。 (ご参考→ https://goo.gl/mvcJ9M ) しかし、私は、以下のような理由から、同 社で強大な権限を持…

木こりとサトリ

先日、岡山県倉敷市にある真言宗の寺院、 高蔵寺の住職の天野高雄さんのメールマガ ジンを読みました。 (ご参考→ https://goo.gl/aZgqBW ) 「仏教説話に『木こりとサトリ』というも のがあります。 サトリとは架空の獣のことで、誰もが獲物 として狙ってい…

仕事を追いかける

先日、経営コンサルタントの小山昇さんの ポッドキャスト番組を聴きました。 (ご参考→ https://goo.gl/LZGc1q ) 番組の中で、小山さんの経営者向けの塾の 塾生で、三重県で運送会社を経営しておら れる、池畑弘樹さんが、同社の人材確保の 方法についてお…

付加価値をつくることが事業の条件

イエローハット創業者の鍵山秀三郎さんの メールマガジンに、付加価値について書か れていました。 「人間社会は人間の生み出す付加価値で成 り立っています。 価格破壊は、この付加価値の否定につなが ります。 人間がお互いに感謝しながら生活していく た…

銀行はひとのふんどしで相撲をとっている

先日、ブログを書くことで事業を改善する 手法を薦めておられる、経営コンサルタン トの板坂裕治郎さんのブログを拝読しまし た。 このブログの記事で、板坂さんは、安易に お金を借りようとせず、その前に、お金を 借りなくてすむ工夫をすることが大切だと …

手間をかける効果

以前、税理士の金成祐行先生から、顧問先 の社長に、自社の経理記帳を3年間行って もらったら、その社長から、自社のお金の 動きが把握できるようになり、改善すべき 点も見つけられるようになったということ を聞きました。 (ご参考→ https://goo.gl/eR9L…

役員報酬はなぜ高いのか

先日、日産を再生させた、同社のカルロス ・ゴーン会長が東京地検特捜部に逮捕され たという報道がありました。 この事件に関する情報は、まだ、少ないの で、私のような素人はとても論評すること はできないのですが、この事件に関する専 門家などの論評で…

融資を受ける金融機関の選び方

私がよく受ける質問に、融資を受けるにあ たって、どの金融機関を選べばよいかとい うものがあります。 この、「適切な金融機関」とは、次の2通 りあると思います。 ひとつめは、起業時に融資を受ける場合に 適した金融機関です。 これは、日本生活金融公庫…

融資対策は免罪符にはならない

このことについては、いままで何度か述べ て来ているのですが、私は、いわゆる「融 資対策」は不要と思っています。 私が銀行職員の時も、融資先の会社が赤字 であっても、経営者の方が真摯に事業改善 に取り組み、少しずつでもその努力が結果 として現れて…

融資申し込みは口頭で可能か

ときどき、銀行から融資を受けるときに、 決算書以外の資料は出さずに、口頭で依頼 すれば融資を受けられると考えている経営 者の方にお会いすることがあります。 私が銀行に勤務していた時代も、顧客から 口頭の申し込みだけで融資を応じていたこ とがあり…

ライザップグループの財務分析

M&Aで急成長してきたライザップグルー プが、今期の業績予想を修正したことで、 大きな注目を浴びています。 (ご参考→ https://goo.gl/KBUjWY ) そこで、ちょっと気が向いたので、同社の 財務分析をしてみました。 平成28年3月期 売上収益 539億…

力み過ぎる経営者

割合としては多くありませんが、経営者の 方の中に、無理して会社をよく見せようと していると思われる方に、ときどきお会い することがあります。 例えば、(失礼な書き方ですが)大企業の ような経営理念を掲げたり、著名な経営者 の講演を頻繁に聞いたり…

コンサルティング万引き

先日、私の知人で、心理カウンセラーの山 口さんが、次のようなことをTwitte rに書いていました。 すなわち、山口さんの配信しているメール マガジンの感想という名目で、長文の電子 メールを送り、暗に、困りごとへの対処法 の回答を求めて来る人が…

社長の仕事は人づくり

エステティックサロンの運営や化粧品販売 を手掛けている、ドクターリセラの社長、 奥迫哲也さんのご著書、「社長の仕事は人 づくり」 (https://amzn.to/2T4TMzE )を 拝読しました。 ご著書の内容は、私がこれまで何度か述べ てきた( https://goo.gl/NMCfSV …

ローコストオペレーションは増益が前提

以前、しまむらのローコストオペレーショ ン(LCO)をご紹介したことがありまし た。 (ご参考→ https://goo.gl/E9Tqfa ) LCOは、そのまま訳せば、「経費を低く する活動」です。 経費を低くするということは、利益が増え るということです。 でも、…

自社の味方を増やす

先日、ある税理士の方から、次のようなお 話しを聴きました。 すなわち、「ある顧問先から、今期の利益 が増えそうなので、納税額が増えないよう にするために、売上高の一部を計上しない で税務申告して欲しいと要請されたが、税 理士の矜持から、それを断…

商業手形割引は融資取引

このように考える方は、少数ですが、商業 手形割引は融資ではないと考えている会社 経営者の方に会うことがあります。 その理由として考えられることは、商業手 形割引は、法律上は、手形の売買であると いうことだと思います。 具体的には、商業手形割引は…

リース契約の融資審査への影響

先日、会社がリースを利用したときの、融 資審査への影響についてご質問を受けまし た。 (ここでは、リース取引について、その代 表的な契約である、所有権移転外ファイナ ンスリースを前提に説明します。 一般的に、単にリースというと、この所有 権移転外…

成功者への妬み

先日、「地方を滅ぼす成功者への妬みのひ どい構造」という、東洋経済新報社のネッ ト記事を読みました。 (ご参考→ https://goo.gl/pVdG99 ) 私も、銀行勤務時代に、この記事に書いて あるような事例を見ることがありました。 地方では、地縁、血縁が強い…

現場主義

経営コンサルタントの望月広愛さんのご書 著「文句ばかりの会社はもうからない!」 ( http://amzn.to/2fiuPhw )に、平成18 年に公開された「県庁の星」という映画が 紹介されていました。 この映画は、織田裕二が演じるエリート県 庁職員が、人事交流でス…

嫌いな部下を登用する

先日、日本放送協会で放送している大河ド ラマ「西郷どん」を見て、印象に残った シーンがありました。 そのシーンとは、明治天皇が、明治5年の 西国巡幸のひとつの訪問先である鹿児島を 訪れ、島津久光が明治天皇に拝謁した後の ことです。 明治天皇ととも…

自分で自分に勲章を与える

事業活動で失敗があったき、よく、「そう いうつもりではなかった」ということを話 す方がいますが、私は、ビジネスにかかわ る方が、そのようなことは口にすべきでは ないと考えています。 それは、失敗の言い訳をしてはならないと いう意味ではありません…

外部性

経済学の用語に外部性というものがありま す。 経済学では、個人や会社の経済活動は、そ れぞれ個別の判断で行われるという前提に 立っているのですが、現実にはお互いに影 響しあっており、その現象を外部性と呼ん でいます。 具体的な例としては、スマート…

合成の誤謬

先日、ある人がSNSで、「従業員の採用 の条件に大学卒業の学歴を求めておきなが ら、雇った従業員に支払う給料が、従業員 の子息を大学に通わせられるほどの額でな い会社はおかしい」という批判をしていま した。 会社としては、できるだけ少ないコスト…

固定費のわな

先日、知人のコンサルタントから、「顧問 先から、経費削減を理由に、顧問契約を切 られた」というお話をききました。 そのコンサルタントの方はとても優秀な方 であり、コンサルティングスキルに問題が あるとは思えないため、契約解除は、顧問 先の都合に…

銀行の融資はなぜ増えないのか

先日、金融庁が東京都に本店のある信用金 庫の検査を始めるとの報道がありました。 (ご参考→ https://goo.gl/wibwMp ) 報道によれば、「不動産投資向け融資で、 業者が書類を改ざんする不正があったこと が明らかになり、金融庁は不正を見逃した 審査体制…

面倒であっても大切なこと

3か月ほど前のことですが、作家の竹田恒 泰さんが、来年行われる改に関し、「元号 の改元に際して起こる、国民の生活の考慮 は一切しないくていい」ということを、テ レビ番組の中でお話されておられました。 これに関しては、さまざまな見方があるの で、…

事業計画書=経営戦略+事業体制

これまで何度か事業計画書の意義などにつ いて書いてきましたが、まだ誤解をされて おられる方が多いと感じたので、ここで、 改めて、これまでとは別の側面から事業計 画書について述べたいと思います。 まず、事業計画書を「事業の予想」ととら えている経…